Twitterは他のSNSと比べ情報の拡散性が強いという特徴があります。
Twitterの匿名性と情報拡散性の強さは、ネット上でのトラブルや誹謗中傷の対象になりやすく炎上のリスクをあわせもっている点に注意が必要です。今回はTwitterでの炎上のリスクを最小限にするため、事例や防止策としての具体的な取り組みを紹介します。
目次
Twitterなどネットで企業が炎上するリスクとは
Twitterは情報拡散性が高く、企業の広告戦略として多くの企業に活用されています。企業のTwitter運用においては炎上リスクを正しく理解しておくことが重要です。
【炎上のリスク】
・クレームの発生
・信用への影響
上記などが考えられます。
クレームの発生
1つ目はクレームの発生です。
企業でTwitter運用を継続していくと、投稿に対してのクレームが発生することもあります。Twitterは拡散性が高いという特徴を持っているため、ターゲットユーザー以外の人も投稿を見ているということを念頭に置く必要があります。
ターゲットユーザーにとっては問題ない投稿内容であっても、他のユーザーは不快に感じるというケースもあるため、無意識のうちに不快な思いをさせていることがないか気を配る必要があります。なお、不特定多数の人とのコミュニケーションにおいてクレームの発生を完全に防止することは難しいため、発生した場合の対処方法を事前に定めておくことが大切です。
信用への影響
2つ目は、企業の信用への影響です。
Twitterは拡散しやすいため、炎上すると拡散を防ぐことは困難な場合があります。ちょっとした不注意や配慮の欠如が炎上につながるケースもあり、企業の信用への影響も大きいため事前に運用方法を明確にすることが重要です。
Twitterで企業が炎上した事例
ここからは実際にTwitterで企業の炎上が発生した事例を紹介します。
【Twitterでの炎上事例】
・楽天トラベルのなりすまし
・SUUMOの不適切発言
・ローソンのアルバイトによる不適切画像
・ディズニーの不適切な時期の発言
・ユニ・チャームの生理用品の動画
以下、それぞれの詳細について説明します。
楽天トラベルのなりすまし
楽天トラベルのなりすまし事例は2015年に発生しました。
楽天トラベルの公式Twitterのアカウントから、歌手の柴田淳さんのTwitterアカウントで公開した画像へ「ぶさいく」とコメントされたことが問題となりました。その後、柴田淳さん本人が「楽天に公式でぶさいくと言われちゃった」との投稿に対して多くのユーザーがリツイートしたことで炎上につながりました。
楽天トラベルは問題となったツイートを削除したうえで本人への謝罪を行い、「当該のツイートは弊社の見解を示すものではございません。現在、なぜこのようなツイートが発生したのか調査しております。」との発信を行いました。
この事例については、公式アカウントが問題となったコメントを行うことは考えにくく、なりすましの可能性が高いと言われています。ただし、なりすましであったとしても企業の信用にも大きな影響を及ぼすため対策が必要となります。
SUUMOの不適切発言
SUUMOの事例は2014年に発生しました。
公式アカウントが投稿した、
『社畜さんいわく、残業のことを「二次会」って言うんだって♪そう言うとなんかすごく楽しそうな感じがするねっ二次会がんばって!ぼくはもう寝るよ~』
という投稿が問題となりました。
たとえ冗談半分での投稿であったとしても、不適切な言葉の利用には十分に気を付ける必要があります。「誰が読んでも傷つかない投稿」を心がけることが大切です。
ローソンのアルバイトによる不適切画像
ローソンの事例は2013年に発生しました。
ローソンのアルバイト店員が、アイスクリームの冷蔵ケース内で寝転んでいる写真がSNSで流れ、問題となりました。アルバイト店員一人の行為がきっかけとなった炎上ですが、全国的に情報は広まり、ニュースでも取り上げられるなど大きな問題となりました。企業のSNSでの炎上では、広告の担当者やアルバイトスタッフ一人の行為であっても会社の問題として認知される点に注意が必要です。
ディズニーの不適切な時期の発言
ディズニーの事例は、2015年に発生しました。
公式アカウントで投稿された「なんでもない日おめでとう」という内容が問題となりました。
不思議の国アリスの物語のストーリーに関連してのツイートでしたが、当日が原爆の日であったため、非難の声が殺到しました。その後、公式アカウントではツイートを削除し、公式サイトでの謝罪が行われました。
ユニ・チャームの生理用品の動画
ユニ・チャームの事例は2017年に発生しました。
動画メディアで生理用品のタンポンを紹介する動画内で男性の声が紹介され、「なぜ男性のためにタンポンを選ばなければいけないのだ」という女性からの批判が殺到しました。
ユニ・チャームとしては、ターゲットを女性に絞り、女性の生理時の不安を軽減することを目的として作成した動画でしたが、発信側の意図とは異なった受け取り方をされたことで炎上へとつながりました。動画は削除され、謝罪が行われました。
Twitter炎上が発生する原因とは
ここからはTwitterでの炎上が発生する原因について説明します。炎上の多くは、発信側の意図に反して発生していることに注意が必要です。
【炎上が発生する原因】
・誤解を招く表現
・社会的な規範やモラルが欠けた発信
・悪ふざけの発信
・社員やメンバーからの告発
以下、それぞれの詳細について説明します。
誤解を招く表現
1つ目は、誤解を招く表現です。
ユニ・チャームの事例のように、発信側が伝えたかった目的とは異なってユーザーに伝わってしまうことが炎上の原因となることがあります。ユニ・チャームの事例で問題となったのは動画でしたが、Twitterでは140字という文字制限の中で情報を伝える必要があるため、発信者の意図をユーザーに正しく伝えるのは簡単ではありません。
多様な価値観を持った人が情報の受け手であるということを念頭に置いて慎重に投稿を作成することが重要です。
社会的な規範やモラルが欠けた発信
2つ目は、社会的な規範やモラルが欠けた発信です。
ディズニーの事例では、原爆の日に「なんでもない日おめでとう」というツイートをしてしまったことが原因で炎上につながりました。
ツイートを行う際は、社会では今、何が注目されているのかという広い視野で、世の中の流れをつかむことも重要です。
悪ふざけの発信
3つ目は、悪ふざけの発信です。
ローソンの事例など、アルバイトスタッフの行為を原因とするSNSでの炎上事例は、他にも発生しています。
アルバイトが軽い気持ちで行ったことが、取返しのつかないほど大きな問題となってしまったというケースがほとんどです。防止するためには、広報担当者だけでなく、一般従業員向けにも研修を行い、SNS利用上の注意点を周知することが重要です。
社員やメンバーからの告発
4つ目は、社員やメンバーからの告発です。
Twitter炎上が発生するのは、公式アカウントだけではありません。スマートフォンが普及し、社員やメンバーであっても個人で情報発信が可能となっています。
企業内の機密情報や個人情報を発信してしまい炎上につながるというケースもあります。
Twitterで炎上した場合に企業が対応すべきこと
ここからはTwitter炎上が発生してしまった場合の対応について紹介します。炎上のほとんどは発信側の意に反して発生するため、万が一のため、事前に対応方法を明確にしておくことが重要です。
【炎上した場合の企業対応】
・投稿を保存する
・投稿を削除して謝罪する
・企業の公式サイトで表明する
・投稿した人物を調査する
・検索候補キーワードの削除依頼を申請する
・再発防止のガイドラインを整備する
以下、それぞれの詳細について説明します。
投稿を保存する
1つ目は、投稿の保存です。
炎上の対応として投稿内容の削除が考えられますが、削除後にもネット上に広がった情報が拡散され、さらには、元の投稿内容が加工されて広まってしまうというリスクもあります。
そのため、削除の前に投稿を保存しておくことが重要です。
投稿を削除して謝罪する
2つ目は、投稿の削除と謝罪です。
Twitterは特に拡散力が高いため、炎上のもとになったツイートが残っていると、情報が更に拡散される可能性があります。そのため、少しでも拡散を抑えるために投稿の削除を行います。
その後、公式アカウントでの謝罪を行います。意に反した炎上であったとしても誠実な姿勢での謝罪を行うことが大切です。
企業の公式サイトで表明する
3つ目は、公式サイトでの表明です。
Twitterでの炎上が発生した場合、企業の信用に大きな影響を与え、経営上のリスクにつながる可能性もあるため、企業としての適切な対応が求められます。
Twitterの公式アカウントでの謝罪だけでなく、公式サイト上で、原因や再発防止策等も含め誠意をもった表明を行うことが重要です。
投稿した人物を調査する
4つ目は、投稿した人物の調査です。
ここからは炎上が発生した原因の追求となります。まずは投稿した人物を確認します。
どのような目的で投稿内容が作成されたのか、投稿内容のチェック体制はどのようになっていたのかなど、炎上の原因の調査と再発防止策の検討を行っていきます。
検索候補キーワードの削除依頼を申請する
5つ目は、検索候補キーワードの削除依頼です。
検索候補にネガティブなキーワードが含まれて表示されてしまうと、企業に対するマイナスイメージが広がってしまいます。
そのため、企業名を検索した場合の検索候補にネガティブなキーワードが出てきた場合は削除依頼を出すようにしましょう。
再発防止のガイドラインを整備する
6つ目は、再発防止のガイドラインの整備です。
Twitter炎上のほとんどは、担当者や個人の意に反した形で発生してしまいます。ちょっとした不注意や配慮不足、軽い気持ちでの発言が原因となって、取り返しのつかないような大きな問題に発展してしまうのが炎上の恐ろしさです。
炎上防止のためには、事前にガイドラインを作成し、広報担当者だけでなく、アルバイトスタッフを含む従業員に対して、SNS利用上の注意点やリスクについて周知することが重要です。
まとめ
今回はTwitterの炎上のリスクと防止策について紹介しました。
Twitterは拡散性が高い一方で、炎上のリスクも併せ持っています。炎上が発生した場合、企業経営へ甚大なダメージを与えてしまうため、事前のガイドライン作成や社員教育が重要となります。
炎上のリスクをゼロにすることは不可能ですが、事前に準備をしておくことでリスクを最小限にTwitterの運用を行うことができるでしょう。
Twitter運用でお困りの方は、ぜひ弊社へご相談ください。
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